産業医の転職ついて徹底解説!業界動向やおすすめ転職サイトもご紹介

医師転職

医師としてのキャリアを積んできたなかで「これから産業医として働いてみたい」と考える人もいるでしょう。産業医になるためには、必要となるスキルがあるため転職前にチェックしておきましょう。

本記事では、産業医の業務内容や転職市場・動向、おすすめの転職サイトなどについてもわかりやすく解説します。

産業医とは?

産業医とは「事業場における労働者の健康管理などについて、専門的な見地から指導・助言を行う医師」を指します。つまり、労働者が心身共にストレスのない環境で働けるよう、サポートする役割を担うのが産業医です。

産業医として働くためには、医師免許のほかにも産業医資格を有する必要があります。産業医資格を取得する際には「単位60分の講習を50単位以上取得する」などの研修を行うことが前提条件となります。

産業医を理解するために、この段落では以下の内容に触れます。

  • 選定義務
  • 職務内容
  • 産業医と医師の違い

産業医の職務内容や医師との違いを理解してから、転職するかを検討してみましょう。

産業医の選任義務

産業医の選任義務は、労働安全衛生規則第13条第1項で定められています。1~49人の従業員なら、産業医の選任義務はありません。50~999人で嘱託も含めた産業医を選任し、1,000~3,000人の従業員なら専属の産業医を選任する必要があります。従業員が3001人以上では、2人以上の専属産業医を必要とします。

なお、従業員の人数には、正社員だけではなく派遣社員やアルバイトなどの人数も含まれています。産業医を選任するときには、労働安全衛生規則に定められている通り、所轄の労働基準監督署へ届け出るようにすることが決められています。

有害業務に従事している労働者が500人以上の場合は、従業員数が50~900人だったとしても専属の産業医の選任を要します。指定の人数の従業員を抱えているにも関わらず、産業医を選任していない企業へは法令違反として、50万円以下の罰金に処されることが定められています。

参考:厚生労働省「現行の産業医制度の概要等

職務内容

産業医の職務内容には、以下のような職務が労働安全衛生規則第14条第1項に挙げられています。

  • 従業員の健康診断と結果に基づく措置
  • 長時間労働者に対する面接指導と結果に基づく措置
  • 事業場で月1回以上の開催が必要となる「衛生委員会」への参加
  • 「職場巡視」の実施義務を有するため、毎月1回は事業場を訪問する
  • ストレスチェックと高ストレス者への面接指導と結果に基づく措置
  • 作業環境の維持管理
  • 作業管理
  • 上記以外の労働者の健康管理
  • 健康教育、健康相談、労働者の健康の保持増進措置
  • 衛生教育
  • 労働者の健康障害の原因の調査、再発防止

従業員の健康管理としては、身体面だけではなく精神面のフォローも必要とされています。また、従業員が安全に行える作業環境であるかをチェックすることも、産業医の重要な職務だといえるでしょう。

作業環境を確認したうえで、従業員の健康を脅かさないように措置を講じる必要があります。産業医の選任報告だけを行っており、産業医が訪問していない状況を「名義貸し」と呼びます。これは、法令違反となるため注意しましょう。

産業医と医師の違い

医師は診断と治療を行うのに対し、産業医は診断と治療は行いません。産業医は、従業員の健康状態を診たうえで働けるかどうかを判定します。医師は職場の環境を直接見ることができないため、患者が復職を望んだ際には日常生活が問題なく送れる状態になったときに「復職可」と診断を出すことが一般的です。

それに対し、産業医は業務内容や職場環境を熟知したうえで「復職可」であるかを判断できます。また、産業医は治療を行わないため、従業員の様子をみて医療施設の紹介なども行います。

健康的にみえる人でも、病気を抱えていたり健康を害する可能性が高い人もいたりします。そのような従業員の健康状態を見極め、病気を予防するよう助言することも、産業医の重要な役割であるといえるでしょう。

多くの企業で問題視されているのは、メンタルヘルスの不調です。うつ病などを発症することで、長期間の休職になったり重度の場合は自殺してしまったりするケースもあります。医師よりも従業員との距離が近い産業医は、従業員のうつ病の兆候を見逃さないよう努める必要があります。

産業医の働き方

産業医として働く場合には、以下の2パターンの働き方があります。

  • 専属医として働く
  • 嘱託医として働く

なお、業務内容としては専属医と嘱託医に大きな変わりはありません。この段落では、専属医・嘱託医としての働き方やメリット・デメリットを深掘りしていきますので、働き方で迷っている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

専属医として働く

それでは、専属医の働き方やメリット・デメリットをチェックしていきましょう。

専属医としての働き方

専属医としての働き方は、基本的には従業員と同様になることを覚えておきましょう。9~17時が従業員の就業時間であれば、同じ時間を勤務することになります。専属医は勤務日数にも左右されますが、年収は転職サイトの求人情報などを見ると800~1,500万円ほどが相場のようです。

嘱託医と比較して従業員と接する機会が多いため「普段と顔色や様子が違う」などの些細な変化にも気付きやすいでしょう。

専属医として働くメリット

専属医として働くメリットとして、残業や夜勤がなく身体的負担が少ないことが挙げられます。手術や緊急度の高い処置などもないため、精神的負荷も少ない職場だといえるでしょう。そのため、体力面で不安のある女性や年配の医師にとっても、働きやすい職場であるといえます。

専属医として働くデメリット

専属医は、従業員の体調の不調を確認したとしても、その治療を行うことはできません。そのため、医師としてもどかしさを感じる場面も多くあるといわれています。

嘱託医として働く

それでは、嘱託医の働き方やメリット・デメリットを確認していきましょう。

嘱託医の働き方

嘱託医は、非常勤であるため月に1~数回ほど事業場を訪問する必要があります。巡視をするだけではなく、健康指導や面談、従業員のストレスチェックなどを業務として行います。月に1回、1時間程度の訪問で嘱託医の報酬は3万円ほどが相場であり、年収にすると300万円程度になります。

事業場への訪問スケジュールは自身で管理する必要があり、回数が少なくなればそれに比例して収入もダウンします。専属医を目指したい嘱託医にとっては、収入や勤務形態が安定しづらいと感じることもあるでしょう。

嘱託医のメリット

嘱託産業医の多くは非常勤として働いているため、それ以外は医師としての業務にあたっています。そのため、視野を広く持つことができ、専属産業医では気付かない点に気付けるケースもあります。

嘱託医のデメリット

専属医よりも事業場を訪問する機会が少ないため、従業員全員の健康状態が把握しづらい面がデメリットとして挙げられます怪我などのように目に見える疾病でなければ、早期発見し健康維持に努めるよう指導することが難しいケースもあるでしょう。

産業医になるための要件

産業医になるための要件は、労働安全衛生規則第14条第2項に定められています。医師免許のほかにも必要となる要件があるため、しっかりと確認しておきましょう。具体的には、以下のような要件が挙げられます。

  • 厚生労動大臣が定める産業医研修の修了者
  • 労働衛生コンサルタント試験(試験区分保健衛生)に合格した者
  • 大学において労働衛生を担当する教授、助教授、常勤講師の職に就いているか、以前に就いていた者
  • その他、厚生労働大臣が定める者

産業医になるための一般的な方法は、産業医科大学か日本医師会の研修を修了して産業医の資格を取得する方法です。産業医科大学なら、毎年4月から2カ月ほどにわたる産業医学基本講座が開かれています。出身大学を問わず受講することができ、講座を修了すれば認定書を受け取れます。

短期間で取得するには、産業医学基礎研修会集中講座の受講もおすすめです。6日間で産業医学が学べるため、臨床医で時間をとれない医師から選ばれている方法です。日本医師会においては、50単位以上の産業医学基礎研修を修了する必要があります。

日本医師会で研修を修了した場合には、5年間の有効期間が過ぎたら再び産業医学生涯研修を受け更新することになります。取得する難易度が高いのは、産業衛生学会認定の専門医資格を取得や労働衛生コンサルタントです。しかし、専属産業医のキャリアを積みやすいため、企業への転職がしやすくなるといえるでしょう。

求人はどれくらい?産業医の転職市場・転職動向

産業医の専属医では、都市部のオフィスは人気が高く転職することが難しいといわれています。専属医の求人は東京や名古屋、大阪に多くみられ、特に東京23区のオフィス系企業は転職において激戦区です。

郊外の工場などは比較的求人が多くあるため、専属医へも転職しやすいといえるでしょう。メンタルヘルスの不調を訴える従業員が増加傾向であることから、精神科医のニーズが高まっています。

従業員の心身の健康を守ることができなければ「ブラック企業」であるといわれる傾向があるため、企業としても包括的に従業員の健康をサポートしてくれる専属医を求めています。

産業医におすすめの転職サイト・転職エージェント3選

産業医におすすめの転職サイト・エージェントには、以下の3つがあります。

  • 医師転職ドットコム
  • リクルートドクターズキャリア
  • エムスリーキャリア

それぞれの転職サイト・エージェントは特色もメリットも異なるため、理解してから利用するかを検討したいですね。

医師転職ドットコム


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医師転職ドットコムは、医師転職業界大手であるため抱えている求人量が豊富であることが特徴です。医師転職ドットコムは匿名性を担保してもらえるため、職場に知られずに転職活動をしたい医師からも多く選ばれています。非公開求人も紹介してもらえるため、より良い条件の求人も探しやすいでしょう。

なお、医師転職ドットコムでは「産業医求人特集」をやっていることが魅力的。地域を絞って産業医の求人を探す事ができます。また、サポート体制も充実しているため転職をする際には使ってみると良いでしょう。

2021年3月26日時点、産業医の常勤医師の公開求人数はなんと186件非常勤医師の公開求人数は71件です。

リクルートドクターズキャリア


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人材紹介会社のなかでも大手といわれるリクルートグループが運営しているのは、リクルートドクターズキャリアです。優良求人を多数扱っていることでも知られており、内部情報に詳しいコンサルタントが手厚い転職支援をしてくれます。

条件に合う求人を提示してくれることで、求人のミスマッチが起こりづらい転職サイトとしても有名です。面接前には、面接練習やエントリーシートの書き方なども丁寧にサポートしてもらえます。

2021年3月26日時点の産業医の公開求人は、22件あります。地方だけではなく東京のオフィスの求人もあり、オンコールや当直などはなく年収は800万円以上となっています。地方の産業医の求人では、年収が1,700万円を超えるものもあります。産業医の求人のなかにも非公開求人が豊富にあるため、気になる場合には実際に登録して確認すると良いですね。

エムスリーキャリアエージェント


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エムスリーキャリアエージェントは、27万人の医師が登録している日本最大級の医療専門エージェント「m3.com」が運営しています。コンサルタントの対応が丁寧でスピーディーであるため、早く転職したい医師から選ばれている傾向があります。

2021年3月26日時点の産業医の求人は、12件です。年収は応相談になっている企業が多いため、自身のキャリアやスキルを考慮してもらいやすいといえるでしょう。専属産業医から嘱託産業医の求人まで取り扱っており、自身が希望する求人をみつけやすいことが特徴的です。

産業医のニーズは高まっている傾向がある!

産業医のニーズは年々高まっている傾向があり、転職先をみつけやすい傾向があります。産業医で転職する際の条件にこだわりたい場合には、いくつかの転職サイト・転職エージェントに登録し比較検討するようにしたいですね。

産業医を目指している人は今回紹介した情報を参考にし、まずは転職サイトに登録してみるところから始めてみましょう。

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